【コラム】低遅延はまだまだ期待薄? ゲーマーのための「5G」基礎知識




2020年から本格導入がスタートする次世代通信の「5G」とは?

クアルコムの調査によると、2035年までに1350兆円もの経済効果をもたらすと言われている「5G」。2019年4月、総務省にNTTドコモ、 KDDI/沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が5Gの免許申請を行った。2020年春頃から、各社の本格導入が始まる予定だ。

そもそも「5G」ってよく聞くけど、なんなの? と思われているゲーマーの人もいるかもしれない。これは現在のスマートフォンなどで使われている「3G」や「4G」に続く、無線通信システムのことをさしている。

その主な特徴としてあげられているのが、「高速・大容量」「多接続」「低遅延」という3つのキーワードである。「高速・大容量」に関しては、2時間の映画が3秒でダウンロードできるようになったり、あるいは様々な視点の映像をユーザーが切り替えて視聴できるマルチアングルのストリーミングサービスなどが利用出来るようになったりする。

「多接続」は家庭内にあるデジタル家電などがネットワークに繋がり、目覚めと共にカーテンが自動で開いてコーヒーが入れられるといった、ちょっとした近未来のSF映画のような生活が実現できるというものだ。

ゲーマーに最も関係する部分は、最後の「低遅延」だろう。ご存じの方もいるように、インターネットでの通信はデータを分割して小さくした「パケット」という単位でやりとりが行われている。野球のボールを「パケット」に例えると、ピッチャーが投げた球がキャッチャーに届くまでの間にラグ(遅延)がある。物理的にラグをゼロにすることはできないが、5Gではそのラグを解消し、格闘ゲームやシューティング、アクションゲームなどリアルタイム制の耐火ゲームも快適にプレイ出来るようになるというのだ。

Googleの『Google Stadia』やNvidiaの『GeForce Now』、フランスのBladeが提供する『Shadow』、ソニーの『PlayStation Now』にマイクロソフトの『Project xCloud』など、各社から「ゲームストリーミング」のサービスが発表されています。これは、HuluやNetflixのように、映画ではなくゲーム自体をネットワーク経由でストリーミングでダウンロードしながら遊べるというもの。当然ながらある程度ネットワーク環境がいいということが条件になるが、ここでも「5G」の力が発揮できそうだ。

しかし、少なくとも「低遅延」については現実的にはまだまだ多くの課題があり、今のところ絵に描いた餅に近いかもしれない。

すべての基地を5Gに切り替えても穴だらけの状態

実はこの「5G」には、「高速・大容量」「多接続」「低遅延」というメリットもあるものの、直進性が高すぎるというデメリットも合わせ持っている。直進性が高いと、通信がビルを回り込んだり建物の中まで届かないということがあるのだ。そのため、単に現在ある基地局すべてを5G対応にしただけでは、穴だらけの状態になりどこでも利用できるという状況にはならない。そのため4Gと合わせて使うことになる。

この4Gと組み合わせることでしわ寄せが来るのが、「5G」の特徴のひとつである「低遅延」の部分である。送り手側からはひとつのIPアドレスに向けて送っているつもりでも、5Gと4Gでいったん分けるという手間が掛かってしまう。そのため、どうしてもラグが発生してしまうのだ。

ある程度設備が整っていくとこうした問題は解消されていくかもしれないが、それもすぐにというわけではなく少なくとも3~10年ほどのスパンで掛かる可能性がある。少なくとも、ラグが少なくなるという面に関しては大きな期待はしない方がいいというわけだ。

「5G」を最大限に活用したサービスは続々と登場

とはいえ、場所は限定されるかもしれないが、「5G」を最大限に活用したサービスは今後も続々と登場してくるだろう。eスポーツなら自分で複数の配信画面を切り替えることができるが、普通のスポーツはそういうわけにはいかない。しかし、5Gならスタジアムで生観戦しつつ、自由な視点の映像をユーザー自らが切り替えながら見るということも可能になる。

すでに「6G」の話しもちらほらと出始めているが、まずは2020年春に、通信会社4社からどのようなサービスが提供されるのか期待したい。




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