いつだって本物だけだった――ブリザードの底力を見せつけられた新作FPS「オーバーウォッチ」オープンベータテストをレビュー

やっぱり、間違いじゃなかった。またまたやってくれたぜ、ブリザードが! こういう言葉が、お世辞じゃなく心の底からわき出てくる。やっぱり凄いゲームメーカーだ。

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5月24日に、日本ではスクウェア・エニックスから発売されるブリザード・エンターテイメントの新作FPS「オーバーウォッチ」。そのPS4版のオープンベータテストが5月3日から5月9日の間、開催される。リリースに先駆けて、ほぼ製品版に近いバージョンのものが無料で遊べるということで、さっそくプレイしてみた。今回はそのレビューをお届けする。

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冒頭でもちらっと触れたが、ブリザード・エンターテイメントといえば、RTSの「スタークラフト」や「ウォークラフト」、MMORPGの「World of Warcraft」、元祖ハクスラ系アクションRPGともいえる「ディアブロ」、最近ではデジタルカードゲームの「ハースストーン」など、リリースしてきたゲームのほとんどが画期的でゲーマーに強い刺激を与えてくれるブランドである。そのブリザードが、まさかFPSに手を出すとは? ……このタイトルを耳にしたときに、まず最初にこう思ったのが率直な感想だ。しかし。

やっぱり間違いじゃなかった。やつらが作るものは、いつだって本物だけだ。

すでにあまたあるFPS。この瞬間も最新のテクノロジーを集結し、新たな新作の開発が各社で進められている。すっかりレッド・オーシャンと化したこの市場に、なぜこれまでほとんど関わってこなかった同社が参入することになったのだろうか? 本作を制作するにあたり、FPS制作経験者を集めてきただけではなく、同社の看板タイトルに関わった人物なども織り交ぜてチームが作られている。その結果、単なる勝利やキルレートを追い求めるだけのFPSとは、ひと味違った作品が誕生した。

ほぼ前情報を入れず、今回のオープンベーターテストに参加した筆者だったが、まず最初に目を引いたのがキャラクターの役割だ。本作では21人ものキャラクターが登場し、当然のことながらそれぞれに異なる種類の武器と特殊能力が与えられている。ここまでは良くある感じだが、さらにそれらのキャラクターが、タンクやオフェンス、ディフェンス、サポートといった感じで分類されているのである。まるで、MMORPGでパーティを編成するときのような印象だ。バトルは6vs6で行われるのだが、チーム編成時にバランスが悪いと、わざわざアナウンスまでしてくれる(それ自体は勝敗に直接関係する物ではないが)。

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ちなみに試合終了後、他人のキルレートは表示されないようになっている。あくまでもチームが勝ったか負けたかが重要であり、それ以外はただの自己満足の世界だからだろう。一見カジュアル層を狙って作られたように見える任天堂の「スプラトゥーン」でさえ、勝利条件とは直接関係のないキルレートが表示される。その結果、ツイッター上のタイムラインで「味方がゴミ」というつぶやきを見ない日がないという惨状だ。オンラインゲームに仲間批判はどうしてもつきものだが、そういう意味ではよりカジュアルに楽しめるゲームと言えるのかもしれない。

サクッとマッチングしてサクッと遊べるお手軽さ。慣れるとほかのゲームのマッチングがトロく感じてしまう。

「チュートリアル」と「練習場」を除くと、主なゲームモードはふたつある。自分のレベルに近いプレイヤーとマッチングされる「クイック・プレイ」とコンピューターを相手に戦う「プレイヤー対AI」だ。これ以外にも、自分以外全員AIなど自由な設定で遊べる「カスタム・ゲーム」と毎週ルールが変更される実験的なモードの「ウイークリー・バトル」というのもプレイ可能だ。ちなみにストーリーを追っていく「シングルプレイ」に当たるものはなく、いずれも基本的なルールは同じである。

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本作では、マップごとに決まったルールが設定されている。こちらは大きく分けて3種類の遊び方が用意されている感じだ。「ペイロード」では、目的地まで乗り物を保護しつつ運んでいく。「ポイントキャプチャー」では、マップ上のコントロールポイントを制圧していく。このふたつは、攻撃と防衛側に分かれて、それぞれの目的で勝利を目指していくことになる。もうひとつ「コントロール」というルールがあり、こちらは攻防の概念はなくマップ上のひとつのエリアを制圧していくことになる。このルールのみ、2ラウンド先取したほうが勝ちだ。

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▲防衛側は「ペイロード」を最後まで護衛。攻撃側は進行を阻止すると勝利だ。

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▲ゲーム終了後、「PLAY OF THE GAME」が選出される。その後、ユーザーによる投票も行われる。

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ゲームの成績などに応じて経験値がもらえ、徐々にレベルアップしていく。レベルアップするたびに「トレジャーボックス」が入手できる。この「トレジャーボックス」には、各キャラクターのスキンやボイスなどがランダムで入っており、コレクションや着せ替えが楽しめるようになっている。特にこのゲームを始めたばかりの頃は、この「トレジャーボックス」を開けるのが楽しく感じるだろう。

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サーバーが正常な状態ならば、マッチングはかなり早い。もちろん出入りも割と自由な感じなので、少しだけ遊んで抜けるといったプレイスタイルでも問題ない。オンラインでのゲームでは、仲間と共に遊んでいるということもありどうしても長時間のプレイになってしまいがちだ。その点、このゲームならライトに遊ぶこともできる。またマッチングもサクサクしているので、この快適さに慣れてしまうと、ほかのゲームではトロく感じしてしまうかも。あくまでもオープンベータテストなので、製品版でも快適であることを願いたい。

ゲーム情報

タイトル:オーバーウォッチ
発売日:2016年5月24日
ジャンル:アクションシューティング
メーカー:スクウェア・エニックス
対応機種:PlayStation 4
希望小売価格:7,800円(税別)

■オーバーウォッチ | SQUARE ENIX

© 2016 Blizzard Entertainment, Inc. All rights reserved. Overwatch and the Overwatch logo are trademarks and Blizzard Entertainment is a trademark or registered trademark of Blizzard Entertainment, Inc. in the U.S and/or other countries.

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